2020年2月9日日曜日
サントラ「1917 命をかけた伝令(1917)(2019)」
第1次世界大戦を舞台に重要な伝令を届ける指令を受けた2人の若き兵士を描いた戦争ドラマ。監督は、サム・メンデス。音楽は、トーマス・ニューマン。全編ワンカットを謳った特徴的な題材なので音楽に遊びがあっても良いような気はしますが、細かい技術的な云々は置いておいての感触はオーソドックスなトーマスそのもので、作品趣向を感じさせる点は長めの曲が多いのとハンス・ジマーの「ダンケルク」の影を感じる所がある位。で、その音楽は、最初と最後の方に郷愁的なメロを配し、サウンド面でトーマス独特のカラーを添付し、不安げな風合いの中に緊張感を滲ませ、要所要所で動きのあるリズムやドラマティックな盛り上げを加えていく物で、本編を観た人からの評判は良く、アカデミー賞を含む映画賞で名前を見かける事もあり、トーマスの力作として推す声が多い感じはしますが、どうも個人的に乗り切れないのが、比較的割合の多い抑制の利いたアンビエント部分にグッと来る所が少ないからで、これは「パッセンジャー」以降の1つの特徴だと思っていますが(一部例外あり)、どうもトーマスが凝った音使いによるあの路線から意図的に離れようとしている節があり、そこがどうもまだ上手くいっていないと言うか、現状退屈向上要因にしかなっていない事が多く、本作もまだその流れの中にあるように感じられます。ここは私があの世界観が好きだから余計にそう感じるのでしょうが、トーマスらしい音楽だけどトーマスの魅力は弱まっているように感じてしまうのはやはり残念で、本編のリアル感を損なわないようにと言う意図があったとしても、あまり今風の一般受けし易い方向性には向かって行って欲しくはない事もあり、何とも言えないモヤモヤが個人的には残ったりもします。まぁ、だからと言って別に退屈な音楽ではないんですが、あくまで好みとしてはそう感じます。
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サントラは、Sony Classicalから出ています。
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