2019年12月9日月曜日

サントラ「アド・アストラ(Ad Astra)(2019)」



宇宙で失踪した父親が海王星近辺で生きている可能性を知った宇宙飛行士の旅路を描いたSFドラマ。監督は、ジェームズ・グレイ。音楽は、マックス・リヒター。追加音楽で、ローン・バルフェニルス・フラーム。ポスト・クラシカルの代表格として映画界でも活躍しているリヒターは、宇宙の神秘感とそこに並列する親子、又は単一の男のドラマを反復と透明感、残響を駆使して彩り、似たような宇宙物を扱った事がある作曲家を思い出させる所を含め、大まかな感触はこの手の定番路線を堅実に。何かキューブリック作品のような部分もあり、ちょっと哲学的な高尚感と言うのか、そう言う小難しい感じが漂ったりもしますが、基本的には、耳馴染みの良い楽曲が揃っていると言えるでしょう。追加音楽のバルフェは、リヒターに合わせる節はありますが、プログラミングの違いやRC的な・・・が出るので、感覚的にはいつものバルフェが宇宙を意識したんだなと言う感じ。本編を観ている際に明確に両者を区別出来ていた訳ではないですが、こうやってアルバムで聴くと違いがよく分かり、ここはリヒターかな、ここはバルフェかな、と思っていた部分が偶々も含め大体合っていたようなので、素人目にも分かり易い違いがあるとは言えるのでしょう(リヒターの7曲目はバルフェかと思っていましたが)。その点を1つの作品の音楽としてどうなのかと言う意見はあるでしょうが、そこまで違和感が強烈と言うわけでもないので、無難な仕事と言えるのではないでしょうか。まぁ、面白いのはリヒター分の方が上だと思いますが。因みに、本編の何処で使われたのかは覚えていませんが、最後のポスト・クラシカル界の新戦力として一般にも知名度が上がっているフラームの「Says」は、アルバム「Spaces」にも収録されている曲なので知っている人も多いかも。

(Amazon/CD)
Amazon】(ダウンロード)
TOWER】(CD)
e-onkyo】(ダウンロード)←ハイレゾ

サントラは、Deutsche GrammophonからCD2枚組のアルバムが出ています。

0 件のコメント:

コメントを投稿