2020年1月12日日曜日

サントラ「The Song of Names(2019)」



ノーマン・レブレヒトの原作を基に戦時中に失踪した親友の天才ヴァイオリニストを探す男を描いたドラマ。監督は、フランソワ・ジラール。音楽は、ハワード・ショア。2018年の「The Catcher Was A Spy」はサントラが出なかったので、新作としては2016年の「否定と肯定」以来?なお久しぶりなショアですが、本作では、台湾出身のレイ・チャンと言う人による咽び泣くようなヴァイオリンの音色と悲哀なメロによって物語のトーンを固定し、クラシカルな品や芸術的な高尚さを含む暗いムードの中に捜索過程や記憶を思い起こすようなミステリアスで不穏な感覚や明る目の躍動感を交えていく音楽を書いていて、決して音楽面のみで劇的な感情の揺さ振りを起こそうとはせずに、あくまで映像と合わさった際の効果を重要視したような控えめな感触を持った楽曲が多いのが特徴と言えるでしょうか。正直、本編未見や絵が無い状態でスコアファン以外からも支持を集める事が出来そうな音楽かと言うと微妙ですが、地味ながらモチーフもあり、全体的にはショアのカラーを感じられるスコアになっていると思います。まぁ、パガニーニやバッハは別にしても、ヴァイオリン・ソロが主となる楽曲にはもっとポイントが欲しかったりもしますが、そう言うのは難しいと言う話=文を目にした記憶があるので、ここは的外れな意見なのかも。あと、これは今更どうしようもないと言うか、仕方が無い事なんですが、アルバムだと全22曲で40分を切るのが音楽の印象を不用意に下げてしまっている気がしたりも・・・。

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サントラは、Deccaから出ています。

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