2020年1月4日土曜日
サントラ「宇宙探査艦オーヴィル - シーズン1(The Orville - Season 1)(2017)(TVシリーズ)」
離婚した元夫婦が艦長と副艦長を務める宇宙探査艦の航海を描いたSFコメディ。音楽は、ブルース・ブロートン(テーマ曲と1話)、ジョン・デブニー(2・5・7・9・10話)、ジョエル・マクニーリー(3・4・6・8・12話)、アンドリュー・コーティ(11話)。製作・脚本・主演を務めるセス・マクファーレンはTVシリーズに出演もしているスタトレファンらしく、本作の監督にもスタトレ畑の人達を召集していますが、音楽面は80年代から活躍しているベテラン勢を召集し、何とも懐かしい響きを持った音楽を聴かせてくれます。その軸となるテーマ曲を手掛けるのが何とブロートン。個人的にこの起用は嬉しく、セスが人選をしているならばこの人は作曲家の嗜好が良いな何て思ったりもするのですが、そのブロートンのテーマ曲がまた期待を裏切らない。スタトレのあの宇宙に馳せるロマンの流れを感じさせながらも、マイケル・ジアッキーノが現代的にアップデートしたJJ系スタトレのテーマとは異なり、雄大さが漂い、ユッタリと奏でられていくメロディライン、そしてそこに含まれるジェントルさが如何にもブロートンと言う感じでお見事。ブロートンが担当する1話はそのテーマ曲を覚えて下さいと言わんばかりに、テーマを織り込んだスペースオペラな音楽で、「ロスト・イン・スペース」を思わせるダイナミックさと細かいテクニックが光るベテランらしいスコアを聴かせ、改めてその健在振りを示してくれます。そして、5話づつ担当しているデブニーとマクニーリーは、ブロートンのテーマ曲を時より織り込んだ音楽を書いていて、多分、EPを超えたりEP毎に出てくるキャラや何かに当てていると思われるモチーフっぽいのがあったり、ジョン・ウィリアムズ、ジェームズ・ホーナー、アラン・シルヴェストリ、クラシック、何かを思わせる部分があったり、デブニーよりもマクニーリーの方がドラマ系の割合が多い感じがしたり(意図的に振り分けてる?)、とそれぞれに特徴を感じさせてくれます。で、面子の中で唯一新顔のコーティは、個性こそハッキリしませんが、動きのあるベテラン勢に負けない音楽を書いていて、アルバムで聴いても変に浮いたりせず、存在感は十分。全体的に、昔ながらのスペオペ感をベースに現代的な要素も加味するようなスタイルなので、スコアファンならば世代関係なく琴線に触れる所がありそうなのと、アクション色が強い事もあり、その路線での聴き応え=燃え要素が多いのも特徴と言えるでしょう。
(Amazon/CD)
【Amazon】(LP)
【Amazon】(ダウンロード)
【TOWER】(CD)
【TOWER】(LP)
サントラは、La‐La Landから出ています。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿